NetBSD on KVM で性能が出ない (dbenchによるベンチマーク)
NetBSDでKVMを動かしていますが、どうにもディスクの速度がもっさりです。
そこで、同じ仮想科環境でLinuxなみの速度を目標に、まずはベンチマークをして現状把握をすることにしました。
用意した環境は次の三つで、リファレンスとなるのはx86_64なUbuntuと我らがNetBSD/amd64, NetBSD/i386です。
ベンチマークに使ったのはdbenchです。ddベンチでもよいかと思っていましたが、せっかくなので専用のベンチマークを使うかなと思いました。ちなみにdbenchを選んだ理由は特になく、pkgsrcをあさってdiskのdかなーと思ってみたらそうだった、ぐらいの軽いノリです。
あっ、NetBSD/amd64はhttp://www.tokuda.net/diary/KVM/NetBSDinstallにも書いたとおりACPI, MPの両方をOFFにして動作させています。
結果は次のとおり。
なんというか、ちょっとびっくりするくらいの差がついています。NetBSD/i386はなにかの測定ミスかと思うくらいの違いです。
また、NetBSD/amd64も速度が安定せず、徐々にスループットをあげて35MB/sぐらいで安定したと思いきや、徐々に下がってきて、結果として28MB/sぐらいになるという挙動です。
このぐらい差がつくと、ちょろっとしたチューニングで劇的に改善するんじゃないの? とかあさはかな考えでdkctlによるstrategyの変更を実施してみました。具体的にはpriocscanからfcfsです。
結果、26.1531 MB/s って下がってしまいました。
これにめげず、ジャーナルしないほうが速いかもとWAPBLをOFFに (mountオプションからlogを削除) してみました。
結果、22.5587 MB/s ってもっと下がってしまいました。WAPBLの説明を改めて読むと、asyncよりも少し遅い、と書いてあるくらいですから当たり前ですね。
そのあとも何度かベンチマークを走らせたのですが、どんどん結果が悪くなる一方です。
これはちょっとおかしい傾向で、悪いなら悪いなりに数字が安定してくれないと困ってしまいます。
ファイルシステムのチューニング以外の見落としがある可能性も高いということで、今日はここまで。
そこで、同じ仮想科環境でLinuxなみの速度を目標に、まずはベンチマークをして現状把握をすることにしました。
用意した環境は次の三つで、リファレンスとなるのはx86_64なUbuntuと我らがNetBSD/amd64, NetBSD/i386です。
ベンチマークに使ったのはdbenchです。ddベンチでもよいかと思っていましたが、せっかくなので専用のベンチマークを使うかなと思いました。ちなみにdbenchを選んだ理由は特になく、pkgsrcをあさってdiskのdかなーと思ってみたらそうだった、ぐらいの軽いノリです。
- dbenchについて
- dbench-3.04を使用
- client.txtは同一
- 実行コマンドはdbench -c client.txt 5
- diskについて
- すべてvirtioを使用
- linuxは(/dev/vda1 on / type ext4 (rw,errors=remount-ro))
- NetBSDは(/dev/ld0a on / type ffs (log, local))
- すべてqemu-imgによるイメージファイル
あっ、NetBSD/amd64はhttp://www.tokuda.net/diary/KVM/NetBSDinstallにも書いたとおりACPI, MPの両方をOFFにして動作させています。
結果は次のとおり。
OS | スループット(MB/s) |
---|---|
Ubuntu | 350.458 |
NetBSD/i386 | 6.043 |
NetBSD/amd64 | 28.191 |
また、NetBSD/amd64も速度が安定せず、徐々にスループットをあげて35MB/sぐらいで安定したと思いきや、徐々に下がってきて、結果として28MB/sぐらいになるという挙動です。
このぐらい差がつくと、ちょろっとしたチューニングで劇的に改善するんじゃないの? とかあさはかな考えでdkctlによるstrategyの変更を実施してみました。具体的にはpriocscanからfcfsです。
結果、26.1531 MB/s って下がってしまいました。
これにめげず、ジャーナルしないほうが速いかもとWAPBLをOFFに (mountオプションからlogを削除) してみました。
結果、22.5587 MB/s ってもっと下がってしまいました。WAPBLの説明を改めて読むと、asyncよりも少し遅い、と書いてあるくらいですから当たり前ですね。
そのあとも何度かベンチマークを走らせたのですが、どんどん結果が悪くなる一方です。
これはちょっとおかしい傾向で、悪いなら悪いなりに数字が安定してくれないと困ってしまいます。
ファイルシステムのチューニング以外の見落としがある可能性も高いということで、今日はここまで。
*1 : Linux ubuntu 2.6.38-8-generic #42-Ubuntu SMP Mon Apr 11 03:31:24 UTC 2011 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux
*2 : NetBSD nbsd-head 5.99.59 NetBSD 5.99.59 (GENERIC) #0: Fri Jan 13 00:27:37 UTC 2012 builds@b7.netbsd.org:/home/builds/ab/HEAD/i386/201201121750Z-obj/home/builds/ab/HEAD/src/sys/arch/i386/compile/GENERIC i386
*3 : NetBSD head64. 5.99.59 NetBSD 5.99.59 (GENERIC) #0: Thu Jan 12 19:43:43 UTC 2012 builds@b8.netbsd.org:/home/builds/ab/HEAD/amd64/201201121750Z-obj/home/builds/ab/HEAD/src/sys/arch/amd64/compile/GENERIC amd64
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Tipsと落とし穴
xmlファイルの直接編集はだめ。virshのedit使うべし。
- /etc/libvirt/qemu の下にあるxmlファイルを編集しちゃダメ。反映されません。
- virshからeditしましょう。
ファイル形式のディスクイメージをqcow2形式で作る
qcow2だとrawとちがって使った量に合わせて増えるので便利です。1TBのイメージを1TB-01.imgという名前で作る例です。
root@t105:/kvm/images# qemu-img create -f qcow2 1TB-01.img 1T Formatting '1TB-01.img', fmt=qcow2 size=1099511627776 encryption=off cluster_size=0qemu-imgにinfoを与えると情報が見られます。
root@t105:/kvm/images# qemu-img info 1TB-01.img image: 1TB-01.img file format: qcow2 virtual size: 1.0T (1099511627776 bytes) disk size: 148K cluster_size: 65536virshを起動し、edit netbsd51などと入力して設定ファイルを手書きする。
<disk type='file' device='disk'> <driver name='qemu' type='qcow2'/> <source file='/kvm/images/1TB-01.img'/> <target dev='hdb' bus='ide'/> </disk>
気をつけること
ゲストOSのディスクはCache=noneが安全。キャッシュをホストOSにまかせるということ。バリア ON (EXT4)が安全。これは理由なんだっけ?
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virshをつかってCUI管理
リモート管理のためにvirshをがんばって使っています。
用途 | コマンド | 備考 |
---|---|---|
VMの一覧表示 | list | --allをいつもつけてます |
VMの起動 | start | |
VMのコンソールに接続 | console | |
VMの停止 | shutdown | Guest OSがLinuxの場合はOSのシャットダウンを待ってくれるけどNetBSDだと意味ないので使わないかも |
VMの強制終了(電源断) | destroy | こっちの方が使うかもなー |
VM設定の変更 | edit | |
設定をファイルにダンプする | dumpxml | ドメインを起動していないとできない |
VMの作成 | create | これだけでは永続化されないのでdefineを使うこと |
VMの永続化 | define | |
VMの削除 | undefine | 試しに作ったやつとかゴミを消すときに使う |
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既存NetBSDマシンをKVMへ移行
KVMを導入するにあたって、今まさに手元にあるNetBSDも含めてKVMへ移行したくなります。
とはいえ、現行のマシンはそれなりの手間をかけているのでぶっ壊れては困りますし、いつでも元に戻せるようにしておきたいはずです。
KVMは既存のNetBSDが入っているHDDをつなげて、そこからブートさせることができます。しかし、何らかのトラブルで環境を壊してしまっては元も子もありません。
したがって、既存のNetBSDが入っているディスクをddコマンドでHDDイメージにして、それをHDD代わりに使って移行のテストをすることにしました。いつでもHDDをつなぎ直せば元に戻れるという、物理的なバックアップがあるのは安心です。
たしかにddでの吸い出しは時間がかかりますが、安心感とのトレードオフですね。
なお、吸い出したHDDイメージは、おそらくシリアルブートの設定はしていません。
次の手順でシリアルブートの設定をしました。
とはいえ、現行のマシンはそれなりの手間をかけているのでぶっ壊れては困りますし、いつでも元に戻せるようにしておきたいはずです。
KVMは既存のNetBSDが入っているHDDをつなげて、そこからブートさせることができます。しかし、何らかのトラブルで環境を壊してしまっては元も子もありません。
したがって、既存のNetBSDが入っているディスクをddコマンドでHDDイメージにして、それをHDD代わりに使って移行のテストをすることにしました。いつでもHDDをつなぎ直せば元に戻れるという、物理的なバックアップがあるのは安心です。
たしかにddでの吸い出しは時間がかかりますが、安心感とのトレードオフですね。
なお、吸い出したHDDイメージは、おそらくシリアルブートの設定はしていません。
次の手順でシリアルブートの設定をしました。
- まず、小さなNetBSDが動くVMを作る
- 吸い出したHDDイメージをVMにディスクとして見せる設定を追加(virsh edit)
- 小さなNetBSDに吸い出したHDDイメージをマウント
- installbootを打ち込むのがよいでしょう。
- man installブートするとinstallboot -e -o console=com0 /dev/rwd0aという例があるのでこれを使いました
- TB-URL http://www.tokuda.net/diary/0771/tb/
USBデバイスをゲストOSに見せる
USBデバイスをゲストOSに見せるためには、USBデバイスの情報を取得し、その情報をvirsh editでXMLファイルに記述する必要があります。
■USBデバイスの情報を取得する
lsusbコマンドでつながっているUSBデバイスのIDなどがとれます。tokuda@t105:~$ lsusb Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
■XMLファイルでの指定方法
Bus IDとDevice IDを指定する方法とベンダIDとプロダクトIDで指定する方法の二通りがあります。ベンダIDとプロダクトIDで指定する方法だとこんな感じ。
<hostdev mode='subsystem' type='usb'> <source> <vendor id='0x13fd'/> <product id='0x1240'/> </source> </hostdev>Device IDとBus IDで指定する方法は、きっと同じデバイスを複数つなぐときに使うんでしょうね。
- TB-URL http://www.tokuda.net/diary/0770/tb/
物理ディスクをゲストOSに見せる
ゲストOSにホストOSのHDDをそのまま見せるための設定はvirsh editで手書きです。
■ シンプルな方法
次の例は/dev/sdbをゲストに見せる設定です。<disk type='block' device='disk'> <driver name='qemu' type='raw'/> <source dev='/dev/sdb'/> <target dev='hdb' bus='ide'/> </disk>
■ virtioを利用した方法
NetBSD-currentの新しい版だとvirtioが使えるようになっています。2011-11-30にvirtioが入ったんですね。以下のようにxmlファイルを書きます。source devが違うのは、違うところからコピペしただけです。ポイントはbus='virio'って書くだけですね。
<disk type='block' device='disk'> <driver name='qemu' type='raw' cache='none'/> <source dev='/dev/mapper/VG--vmpool-vol1'/> <target dev='vda' bus='virtio'/> </disk>NetBSDからはldというディスクデバイスで見えます。bus='ide'よりもかなり速くなります。
- TB-URL http://www.tokuda.net/diary/0769/tb/
NetBSDのインストール
ターミナルからインストールするためにboot-com.isoを使うのが便利です。
ネットワークとしてre0が見えます。これにDHCPなどでアドレスをふってFTPインストールなり何なり。
あれ、umount /targetrootで止まっちゃったりするなー。Ctrl-Cとかで止めて、手動で/bin/sh起動してumountしたら大丈夫だった。でも、時間がかかっているだけだったりするので、気長に待つ方がよいかも。
/etc/ttysのttyE1からttyE3はコメントアウトしといた方が起動時にきれいかも。wsconsもいらないかな。
ちなみにi386です。
インストール後は
ちなみにamd64でふつうにやるとattimer0とかで止まることがあるかもしれない。
そのときにはACPIなしのシングルプロセッサを指定してあげると良いみたい。
ブートプロンプトのところで自動起動させず、4を選択。boot -1であげると起動した。
sudo virt-install -n netbsd51 --hvm -c ./boot-com.iso -r 512 -f /kvm/images/netbsd51.img -s 40 --nographics --noacpi
- netbsd51という名前
- CD-ROMにboot-com.iso
- メモリは512MB
- 仮想ディスク名はnetbsd51.img
- 仮想ディスクのサイズは40GB
- グラフィックは無し
- ACPIもなし
ネットワークとしてre0が見えます。これにDHCPなどでアドレスをふってFTPインストールなり何なり。
あれ、umount /targetrootで止まっちゃったりするなー。Ctrl-Cとかで止めて、手動で/bin/sh起動してumountしたら大丈夫だった。でも、時間がかかっているだけだったりするので、気長に待つ方がよいかも。
/etc/ttysのttyE1からttyE3はコメントアウトしといた方が起動時にきれいかも。wsconsもいらないかな。
ちなみにi386です。
インストール後は
export PKG_PATH=ftp://ftp.allbsd.org/pub/pkgsrc/packages/NetBSD/i386/5.1/All/あたりのおまじないをかけて、pkg_add zshてなかんじ。
ちなみにamd64でふつうにやるとattimer0とかで止まることがあるかもしれない。
そのときにはACPIなしのシングルプロセッサを指定してあげると良いみたい。
ブートプロンプトのところで自動起動させず、4を選択。boot -1であげると起動した。
- TB-URL http://www.tokuda.net/diary/0768/tb/
LVMを使ったディスクの切り出し
KVMつかってqcow形式使ってたらどうも調子悪いので、達人おすすめのLVMからパーティションを切り出して使う方式に切り替えようと思い立った。
3TBのUSB HDDをつないでそいつを切り出して使おうって寸法。Windowsでの利用を前提として売られている市販品です。
手順は次のようになります。
3TBのUSB HDDをつないでそいつを切り出して使おうって寸法。Windowsでの利用を前提として売られている市販品です。
手順は次のようになります。
- fdisk or gparted
- PV (pvcreate)
- LG (vgcreate)
- LV (lvcreate)
- mkfs (NetBSDでマウントして)
■ fdisk or parted
まずはfdiskですね。USBディスクは/dev/sddで見えています。root@t105:~# fdisk /dev/sdd WARNING: GPT (GUID Partition Table) detected on '/dev/sdd'! The util fdisk doesn't support GPT. Use GNU Parted. WARNING: The size of this disk is 3.0 TB (3000592982016 bytes). DOS partition table format can not be used on drives for volumes larger than (2199023255040 bytes) for 512-byte sectors. Use parted(1) and GUID partition table format (GPT). WARNING: DOS-compatible mode is deprecated. It's strongly recommended to switch off the mode (command 'c') and change display units to sectors (command 'u'). Command (m for help): p Disk /dev/sdd: 3000.6 GB, 3000592982016 bytes 256 heads, 63 sectors/track, 363376 cylinders Units = cylinders of 16128 * 512 = 8257536 bytes Sector size (logical/physical): 512 bytes / 512 bytes I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes Disk identifier: 0x00000000 Device Boot Start End Blocks Id System /dev/sdd1 1 266306 2147483647+ ee GPT Command (m for help):あらま。3TBだとfdiskでは扱えないようです。partedを使えとのことなので、そのとおり使ってみます。
root@t105:~# parted /dev/sdd GNU Parted 2.3 Using /dev/sdd Welcome to GNU Parted! Type 'help' to view a list of commands. (parted)まずはヘルプを見てみます。
(parted) help align-check TYPE N check partition N for TYPE(min|opt) alignment check NUMBER do a simple check on the file system cp [FROM-DEVICE] FROM-NUMBER TO-NUMBER copy file system to another partition help [COMMAND] print general help, or help on COMMAND mklabel,mktable LABEL-TYPE create a new disklabel (partition table) mkfs NUMBER FS-TYPE make a FS-TYPE file system on partition NUMBER mkpart PART-TYPE [FS-TYPE] START END make a partition mkpartfs PART-TYPE FS-TYPE START END make a partition with a file system move NUMBER START END move partition NUMBER name NUMBER NAME name partition NUMBER as NAME print [devices|free|list,all|NUMBER] display the partition table, available devices, free space, all found partitions, or a particular partition quit exit program rescue START END rescue a lost partition near START and END resize NUMBER START END resize partition NUMBER and its file system rm NUMBER delete partition NUMBER select DEVICE choose the device to edit set NUMBER FLAG STATE change the FLAG on partition NUMBER toggle [NUMBER [FLAG]] toggle the state of FLAG on partition NUMBER unit UNIT set the default unit to UNIT version display the version number and copyright information of GNU Parted (parted)状態を表示させるprintを実行してみます。
(parted) print Model: I-O DATA HDCA-U (scsi) Disk /dev/sdd: 3001GB Sector size (logical/physical): 512B/512B Partition Table: gpt Number Start End Size File system Name Flags 1 17.4kB 134MB 134MB Microsoft reserved partition msftres 2 135MB 3001GB 3000GB ntfs Basic data partition (parted)Windows向けにあらかじめ準備されていたパーティション1と2があります。まったく使わないので削除してしまいましょう。
ただし、この操作は実行したとたんに反映されます。戻せませんのでご注意。
(parted) rm 2 (parted) rm 1 (parted)なんという寡黙なコマンド。ちゃんと消えているか確認してみます。
(parted) p Model: I-O DATA HDCA-U (scsi) Disk /dev/sdd: 3001GB Sector size (logical/physical): 512B/512B Partition Table: gpt Number Start End Size File system Name Flags (parted)はい。見事に消えています。
では、LVM用のパーティションを作りましょう。
単位をMiBにします。参考にしたWebページがそうしていたからですけど。
(parted) unit MiBパーティションのサイズを確認します。 Disk /dev/sdd: 2861588MiBと書かれている部分をみると全体が2861588MiBだとわかります。この数字を覚えておきます。
(parted) p Model: I-O DATA HDCA-U (scsi) Disk /dev/sdd: 2861588MiB Sector size (logical/physical): 512B/512B Partition Table: gpt Number Start End Size File system Name Flags (parted)いよいよmkpartでパーティションを作ります。パーティションタイプはprimaryで、パーティションのSTARTとENDをそれぞれ1と(先ほど覚えておいた)2861588にします。
ちなみに、スタートを1にしているのは0にすると Warning: The resulting partition is not properly aligned for best performance. という警告が出たからです。
(parted) mkpart primary 1 2861588 (parted)確認してみます。
(parted) p Model: I-O DATA HDCA-U (scsi) Disk /dev/sdd: 2861588MiB Sector size (logical/physical): 512B/512B Partition Table: gpt Number Start End Size File system Name Flags 1 1.00MiB 2861588MiB 2861587MiB primary (parted)作成したパーティション1をLVMにセットします。ちょっと呪文っぽいset 1 lvm onというコマンドです。mkpartのhelpにもうすこし書いて欲しいものです。
(parted) set 1 lvm on (parted)確認してみましょう。Flagsにlvmと記載されています。
(parted) p Model: I-O DATA HDCA-U (scsi) Disk /dev/sdd: 2861588MiB Sector size (logical/physical): 512B/512B Partition Table: gpt Number Start End Size File system Name Flags 1 1.00MiB 2861588MiB 2861587MiB primary lvm (parted)そういえば、そもそもGPTとして見えていたので、mklabelはしませんでした。した方がよかったかな。
■ PVを作る
PVを作るコマンドはpvcreateです。先ほど作ったパーティションをPVにします。root@t105:~# pvcreate /dev/sdd1 Physical volume "/dev/sdd1" successfully created確認のコマンドはpvscanです。一行目のものはシステムディスクのPVで二行目のものが先ほど作ったPVです。
root@t105:~# pvscan PV /dev/sda3 VG t105 lvm2 [1.82 TiB / 132.00 MiB free] PV /dev/sdd1 lvm2 [2.73 TiB] Total: 2 [4.55 TiB] / in use: 1 [1.82 TiB] / in no VG: 1 [2.73 TiB]
■ VGを作る
vgcreateでVGをつくります。KVMのVMを置く場所なのでVG-vmpoolという名前にします。
引数の-s 64mはエクステントの指定です。VGに作成可能なエクステント数の最大は65536という制限があるので、ディスクのサイズを最大エクステント数つまり65536で割ればエクステントサイズが求まるわけです。で、参考にしたWebページに早見表があって2TBだと32MBで4TBだと64MBだそうな。こいつは3TBだから64MBにしとけば(ムダは出るかもしれんが)安心でしょう。
root@t105:~# vgcreate -s 64m VG-vmpool /dev/sdd1 Volume group "VG-vmpool" successfully created作成したVGを表示します。vgdisplayというコマンドです。vgscanじゃないところがなんとも。
root@t105:~# vgdisplay -C VG #PV #LV #SN Attr VSize VFree VG-vmpool 1 0 0 wz--n- 2.73t 2.73t t105 1 2 0 wz--n- 1.82t 132.00mvgdisplayにVG名を与えると詳しい情報が出ます。
root@t105:~# vgdisplay VG-vmpool --- Volume group --- VG Name VG-vmpool System ID Format lvm2 Metadata Areas 1 Metadata Sequence No 1 VG Access read/write VG Status resizable MAX LV 0 Cur LV 0 Open LV 0 Max PV 0 Cur PV 1 Act PV 1 VG Size 2.73 TiB PE Size 64.00 MiB Total PE 44712 Alloc PE / Size 0 / 0 Free PE / Size 44712 / 2.73 TiB VG UUID sfxf8p-nCr7-suHe-JxpA-Sk9C-AsBa-s2TNE5
■ LVを作る
VG-vmpoolからLVを切り出します。1TiBのサイズで名前をvol1とします。root@t105:~# lvcreate -L 1TiB -n vol1 VG-vmpool Logical volume "vol1" createdもうひとつvol2という名前で切り出してみます。
root@t105:~# lvcreate -L 1TiB -n vol2 VG-vmpool Logical volume "vol2" created確認してみます。vgdisplayをもう一度使います。lvdisplayがあればわかりやすいのに。
root@t105:~# vgdisplay -v VG-vmpool Using volume group(s) on command line Finding volume group "VG-vmpool" --- Volume group --- VG Name VG-vmpool System ID Format lvm2 Metadata Areas 1 Metadata Sequence No 3 VG Access read/write VG Status resizable MAX LV 0 Cur LV 2 Open LV 0 Max PV 0 Cur PV 1 Act PV 1 VG Size 2.73 TiB PE Size 64.00 MiB Total PE 44712 Alloc PE / Size 32768 / 2.00 TiB Free PE / Size 11944 / 746.50 GiB VG UUID sfxf8p-nCr7-suHe-JxpA-Sk9C-AsBa-s2TNE5 --- Logical volume --- LV Name /dev/VG-vmpool/vol1 VG Name VG-vmpool LV UUID lmE2r2-GvBd-bBUO-19VF-9JRs-XGSz-XsG0hM LV Write Access read/write LV Status available # open 0 LV Size 1.00 TiB Current LE 16384 Segments 1 Allocation inherit Read ahead sectors auto - currently set to 256 Block device 251:2 --- Logical volume --- LV Name /dev/VG-vmpool/vol2 VG Name VG-vmpool LV UUID FvDTk8-TvaJ-cDcZ-7Rq1-D7ef-2M3v-PmdDzx LV Write Access read/write LV Status available # open 0 LV Size 1.00 TiB Current LE 16384 Segments 1 Allocation inherit Read ahead sectors auto - currently set to 256 Block device 251:3 --- Physical volumes --- PV Name /dev/sdd1 PV UUID 228TBz-9i9u-e0ie-xoWe-1TD5-CX31-P4IfuP PV Status allocatable Total PE / Free PE 44712 / 11944 root@t105:~#これで、/dev/mapperの下にvol1, vol2に相当するパーティションができています。
root@t105:~# ls -l /dev/mapper total 0 crw------- 1 root root 10, 236 2012-01-18 19:27 control lrwxrwxrwx 1 root root 7 2012-01-18 19:26 t105-root -> ../dm-0 lrwxrwxrwx 1 root root 7 2012-01-18 19:27 t105-swap_1 -> ../dm-1 lrwxrwxrwx 1 root root 7 2012-01-18 19:27 VG--vmpool-vol1 -> ../dm-2 lrwxrwxrwx 1 root root 7 2012-01-18 19:27 VG--vmpool-vol2 -> ../dm-3/dev/mapper/VG--vmpool-vol1は普通のディスクとして扱うことができるので、mke2fsして使うなり、KVMのゲストOS向けのディスクとして見せるなり、お好きにお使いください。
- TB-URL http://www.tokuda.net/diary/0767/tb/
1: 774 2012年01月30日(月) 午後3時54分
ubuntuがいくらなんでも速すぎませんか。
お高いディスクお使いですか。
2: tokuda 2012年02月11日(土) 深夜0時52分
いえ、高いディスクでもなんでもない、何の変哲もないSATA 3.5inchディスクです。dmesgにはWD20EARS-00Mって出てますね。
3: 774 2012年02月16日(木) 午前11時42分
なるほど、dbenchのことは知りませんが、ちょっと前のSSDのカタログ性能くらい出ちゃってるのであれれと思いました。
NetBSDの場合、今どきのハードに対してMAXPHYSが小さすぎるのがディスク性能でない原因の(大きな)一つだと思ってます。きっと昔のハードに最適化してあるのでしょう (嘘)