週間?アキバウォーカー
秋葉原散歩日記

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2000/05/07 (日) 省スペースPCを組むぞ

ゴールデンウィーク最終日にアキバに繰り出しました。

神田祭が行われ、神輿が出ていました。

書泉ブックタワーの前で、そろそろ帰ろうとすると威勢のいい声が。殺伐とした電脳都市にも、粋でいなせな江戸文化を見ることができました。

来年の初詣は神田にしようかな。アキバの初売りもあるし (バカ)。

さて、今回のアキバショッピングの目的は、省スペースPCの自作です。必要なものを揃えるために、気合の入った巡回でしたが、いろいろポカをやってしまい、勉強させていただきました。

購入物

品名 価格 購入店 備考
SDRAM 128M PC100 CL2 (N/B) 9980 TWOTOP一号店 本数限定特価品
NLXマザー GA-6ZOZ
(SEGA)
1000 TWOTOP本店 ジャンク市 (無保証), LANなし
FDドライブ
(Panasonic)
1399 あきばおー2号店
CD-ROMドライブ
(HITACHI)
1780 QC-PASS スリムタイプのCD-ROMドライブ
ミリねじ
(N/B)
28 ヒロセテクニカル ひとつ7円で四つ
ねじケース
(N/B)
98 ヒロセテクニカル
Happy Hacking Keyboard Lite (PFU) 7700 PCiN秋葉原
CD-ROMドライブ (XM-1602B)
(TOSHIBA)
3980 じゃんぱら秋葉原4号店 のちに買取
-3580 税込み

 

省スペースPC

省スペース。なんて甘美な響きなのでしょう。日本の厳しい住宅事情において、省スペースは美徳であり、目標であります。

しかし、PCはもともと外来の文化であることもあり、

男は黙ってフルタワー。

という時代を生きてきた私にとって、デスクトップPCなどは、

拡張性の低い子供のオモチャだぜ

と馬鹿にしていました。しかし、フルタワー二台、ミニタワー一台、一体型Macintosh一台、その他各種PDAなどがひとつの部屋にあると、部屋の模様替えもままならない状態です。

デスクトップPCも目的に適応していれば、悪くないものだ、と最近思うようになってきました。むしろ、小さな筐体という制限の中で、どれだけ自分の理想に近づけるかというおもしろさがあるといえるでしょう。フルタワーの場合、何も考えずに設置できる物も、省スペースPCではそのトレードオフで頭を使う必要があるのです。

ということで、ここ最近はいわゆるベアボーンキットを調査していました。しかし、拡張性が一切無かったり、高価だったり、となかなか購入にはいたりませんでした。

しかし、武蔵小金井のブレインバスターというショップでNLXケースとマザーボードが特価で販売されているという情報を入手。NLXの仕様だと思うのですが、ライザカードがあり、そこにはPCIスロットが2本空いています。拡張性もそこそこ期待できます。ケースもかなり小さいです。そして、購入です。

NLXのケース (B5-N) は8980円、マザーボード (SP98-N) は5800円でした。まぁ、安いほうかなという気がします。ただし、マザーボードはSocket7ですし、ASUSです。Gigabyteファン (ギガバイター) の私としては、ちょっと手を出しづらかったのですが。

ケースにマザーボードを設置するとこんな感じです。ドライブ類は左側に付きます。

さて、必要なものは、

  • CPU
  • メモリ
  • HDD
  • FDD
  • CD-ROM (薄型)

です。つまり、ほとんどですね。新規に一台組むことになったわけですが、CPUとFDDとHDDはあまり使っていないマシンから引っぺがすことにしました。すると、必要になるのはメモリとCD-ROMだけです。スペック的にはそれほどすごいものにはなりませんが、とりあえずつなぎとしてはまずまずのスペックです。

ブレインバスターではCD-ROMは7800円で、しかも在庫切れ。メモリは、12000円程度で、あまり安くない印象を受けたのと、ゴールデンウィークはまだ残っているので、アキバで調達することにしました。

前日には、Webをさすらい、TWOTOPで薄型CD-ROMが6800円程度で売っているのを確認し、アキバに繰り出しました。

目標を立てよう

せっかくアキバに行くなら、目標を立てて買い物をすると楽しさ倍増です。今回の巡回で最低限必要なパーツは、CD-ROMとメモリとFDDです。で、値段的に次のような目標を立てました。

CD-ROM

薄型CD-ROMはブレインバスタで7800円、TWOTOPのWeb価格は6800円。ということで、6800円よりも安ければ買ってもよいだろう。

メモリ

11000円台ならしぶしぶ、10000円台ならまずまず、9000円台なら即ゲット、でしょうか。

FDD

本来は必要ないのですが、今回のPCに部品を提供するPCにFDDぐらいは残しておかないと、あとあと困りそうなので、補充することにしました。目標は3000円未満。

ハマる、ハマる、ドツボにハマったCD-ROMドライブ

ハマりの第一歩

一軒目の店は、じゃんぱら4号店です。なんと、そこですぐに薄型CD-ROMドライブを見つけました。東芝製で日本語の説明と、通常のIDEへの変換コネクタもついて3980円。四号店特価などの札もついているじゃありませんか。状態からして、未使用品のようです。ベゼルはグレーで、筐体とは色が合わないというのを除けば素性のいい代物です。

6800円が目標だったのですぐ買おうか迷いました。いや、一軒目だし、やめとこう。あとから来ればいいさ。と思ったものの、以前この店ではDDSドライブをあとから買おうと思って忘れていた経験もあり (2000/02/11号参照)、えぇい、と買ってしまいました。

あれ、ネジあったっけ

前日にケースを確認していたところ、CD-ROMドライブを取り付ける場所のネジ穴が非常に小さいことに気づきました。

そうか、薄型CD-ROMドライブは小さいネジなんだ。明日ドライブ買うときにはネジがついているか確認しなければ...

と思っていました。そのことを思い出したのは、ドライブを買ったあとでした。

急いで、袋の中身を見てみると

なんだ、ついてんじゃん。やるぅ。じゃんぱら。

となり、一件落着なのでした。

おい、ちょっとまて、同じじゃんぱらだろ

巡回中、じゃんぱら1号店にも立ち寄りました。そこで目にしたものは、

1480円の薄型CD-ROMドライブ

でした。やられたー。中古ですが、その安さはすばらしいものです。一軒目で決めたことを後悔し、それが同じじゃんぱらだったことは怒りさえ覚えました。

これがアキバさ。まぁ、変換コネクタもついてたし (いらないけど)、ネジもついてたし。勉強料として自分を慰めました。

まじ?  今度は新品かよ

そう、今度はQC-PASSで新品の薄型CD-ROMドライブを1480円で見つけてしまったのです。中古なら、1280円です。しかも、ベゼルは白。

これも勉強、勉強さ。くぅー。

あれ?  ちょっと待てよ、これ、大丈夫なのかな?

巡回も終盤に差し掛かり、足もくたびれ、小腹もすいてきたので休憩しました。

今回の戦利品をひととおりチェックしていたそのとき、気づいてしまいました。

あれぇ?  ベゼルちょっとデカくない?

そう、CD-ROMドライブのベゼルがちょっと幅広です。ちょっと血の気が引きました。高い買い物をして、しかも使えないのでは悲惨です。

そこで、ちょっと反則気味ですが、アキバの利点を生かし、自分の買ったケースと同じケースを陳列しているショップでベゼルがちゃんとはまるかチェックすることにしました。

いやな予感は的中し、ベゼルはケースよりもかなり大きくケースにまったくマッチしません。私はうなだれました。

ネジを3980円で買った

ことになるわけです。勉強料としては高すぎます。普通の店ならば、購入当日ですし、未使用であることは明らかなので返品できるかもしれません。しかし、じゃんぱらはその店名が示すとおり、ジャンクや中古品を扱っている店です。つまり、お客もわかって買っている店なわけで、ジャンクの返品はご法度です。

しかし、あまりにもさびしすぎるのでじゃんぱらのレシートと保証規定を読んでみました。すると、買い間違えの場合、9割の値段で買い取ってくれるという記述があるじゃないですか。

すべてをそれに賭けることにしました。

でも、やっぱり必要でしょ

その段階で、わたしは新しくCD-ROMドライブを買う必要があることに気づき、先ほど見つけた1480円のCD-ROMドライブを買いにじゃんぱら1号店に行き、聞いてみました。

(おれ) すいません、このドライブのネジって付属してますか?

(店員) ついてません

(おれ)  このドライブ用のネジって売ってませんよね...  (すっかり弱気)

(店員) (苦笑)

ちょっとぐらい、探してくれてもよさそうなもんですが、アキバの店員らしくかなり無愛想です。ちょっと気分を害した私は、

いいもん。QC-PASSにもあるもんねー。

私は、じゃんぱらを後にしQC-PASSを目指しました。アキバをさんざん行ったり来たりして、ヘトヘトです。新品のCD-ROMドライブは残り一台で残っていました。ベゼルも白なので言うこと無しです。購入しました。

QC-PASSでも同じ質問です。

(おれ) すいません、このドライブのネジって付属してますか?

(店員) ないですねー。でも、普通のミリネジですからね。

と、自己解決を求められました。当然といえば当然です。しかし、ここの店員さん (おそらく店長さん) はネジが無い私を不憫に思ってくれているようです。なんていい店なんでしょう。

(おれ) ネジを売っているところをご存知ですかねぇ?

ダメもとで聞いてみたところ、ネジを専門に扱っている店を教えてもらいました。言われて気づきました。

ここはアキバなんだし、どっかに売ってんだろ!!

ネジ一本見つからないわけがありません。それどころか、場所の説明を聞くうちにその店は自分の知っている店で、その店以外にももう一軒のネジ屋を思い出していました。

ネジ屋に直行しました。その段階では、じゃんぱらのCD-ROMドライブがあるので、ネジの大きさなどは簡単にわかります。それらしいネジを4本選び、ついつい、ネジケースも買ってしまいました。なぜだ。

最後の攻防

最後の難関は、じゃんぱらへの返品です。

もともと、私の返品はルール違反なので、ダメです!!  といわれても仕方が無いと思いながら折衝しました。

店員さんにはいろいろと言われたのですが、私の無理を聞いてもらうことで9割の代金が戻ってきました。まぁ、消費税分は戻ってきませんが。結果としては万々歳です。

無理も言ってみるもんです。

さらにハマる

買い物自体は、紆余曲折ありましたが、目標金額よりも大幅に安く買うことができ大満足です。

戻ってきて早速組み上げた、動作チェックをしました。CD-ROMドライブのボタンを押すと、

カツン、カツン、カツン

といって出てきません。

やっちまったか?  最後の最後で。

あんなに苦労してやっと買ったのに、不良品ですか?  新品だから交換してくれるはずだけど、またアキバに行かなきゃいけないし...  とかなりへこんでいたのですが、

とりあえず、問題点の切り分けするかぁ

と思い、取り付けたドライブ類をすべてはずそうと思った瞬間、

もしかしたら、これってドライブ固定用のネジが引っかかっているのでは?

とひらめきました。とりあえず、取り付けたネジをはずして電源を入れて、CD-ROMドライブのボタンを押すと、

カシャ!!

という音とともにCD-ROMドライブのトレーが出てきました。思ったとおりでした。取り付けたネジが長すぎたため、ネジがトレイに引っかかっていたのです。

写真を見ると、ネジ長のシビアさが伝わりますね (伝わらないか?)。

しかし、ネジをゆるくとめているのでは不安定です。そこで、ちょっと工作することにしました。工作といってもネジをペンチで切るだけです。

写真を右がオリジナルのネジで、左側がペンチで切ったネジです。

購入の段階で、さんざんハマったCD-ROMドライブですが、最後の最後まで、はらはらドキドキさせてくれました。

自分の未熟さをひしひしと感じました。

FDDのトリック

FDDはかるーく見て回っていたので、相場が1980円であり、安めのドライブが1780円度言うことはチェックしていました。目標が3000円ですから、どこで買ってもいい感じです。ただし、どうせ買うなら最安値がいいなぁと思い、歩き回っていました。

そのなかでも、あきばおーの1399円のFDDは安いものでした。FDDなんてどれでも同じと思っている私は、迷わずそのドライブを購入しました。Panasonicという名前も安心感がありますし。

家に戻って、いざ設置です。あけてみても何の変哲も無いFDDですね。

そして気づきました。安い理由を。

裏返してみると。基盤が剥き出しです。ドライブにはホコリが入りそうな構造です。

FDDはどれでも同じではなく、安いものにはそれなりの理由がある

すばらしい教訓を得ることができました。

これぞアキバの醍醐味

巡回中メモリの値段をずっと気にしてチェックしていましたが、結局10000円台で手を打つしかないかぁ、と思い始めていました。Akiba Hotlineでも最安値は10000円台でしたしね。しかし、ひたすら店を回っているとTWOTOPでメモリが限定で9980円でした。おそらく最安値だと直感した私は、すぐに購入しました。最近TWOTOPにはあまり立ち寄らなかった私も、TWOTOPの底力を見たような気がしますし、足で稼げば安いものを手に入れることができるアキバの醍醐味を味わうことができました。

このメモリはこの日の最安値だったと思われます。

お祭り騒ぎ

前日TWOTOPでジャンクマザーの放出があるという情報を入手していた私は、ためしに参加してみることにしました。というのも、NLXマザーが放出されるらしいのです。

安く高性能なNLXマザーが買えればラッキーです。ジャンク市開始時刻の直前に行ったので、人がずいぶん並んでいましたが、なんとか商材がある段階で順番が回ってきました。

箱入りで説明書や付属品のついている状態のよいマザーはあらかた売れており、エアキャップに包まれただけのジャンクの香り漂うマザーから探す必要がありました。エアキャップに包まれていると基盤の詳しい状態はほとんど確認できず、貼り付けられている型番からすべてを判断しなければなりません。

うろ覚えのGigabyteのNLXマザーの型番を頼りに探してゲットしたのがこの一枚。

よく見るとSlot1だったりネットワークが無かったりといまいちでした。ライザカードが無いのは気になりますが、現在所有しているSocket7のマザーについているのでそれを流用できるかもしれないと甘い期待もあります。

まぁ、ネットワークが無いことはシールについているW/O LAN (おそらくWithOut LANの略) からわかるはずなのですが、買っている最中はW/Oが何の意味かわからなかったので仕方が無いのです。

まぁ、お祭りに参加したし、1000円だったし、なんとなくお蔵入りの気もしますが、良しとしましょう。次回からは、もう少し早めに並べば希望の商品がゲットできるかもしれません。

意外に苦戦

電源分岐ケーブルが欲しくなり、探しながら巡回していました。100円ぐらいで見つかるだろうと思ってたケーブルが、ぜんぜん見つかりません。見つけたとしても、300円以上します。

こういう小物系は、

普段はよく見かけるのに探すと見つからない

ものです。しかたなく、200円で手を打ちました。

ほんとうなら、袋なんかに入っていなくてもいいのに...

苦戦、苦戦でした。

やっぱり買うことになりました

一台組むということは、キーボードも必要です。

せっかく小さいマシンを組むのだから、小さなキーボードがマッチします。そして、そのマシンはFreeBSDを中心に使いたいと考えていました。

となると、Happy Hacking Keyboard (以下HHKと略す) です。

出た当初は、非常に高価であまり見かけなかったHHKですが、廉価版のHHK Liteが登場してからは多くの店で見かけるようになりました。HHKのキー配置やその小ささは以前から魅力を感じていました。

キーボードは1000円からある世界ですが、HHK Liteは7800円が相場です。廉価版とはいえキーボードとしては高価な部類です。今まで、何度も手にとっては購入に至らなかったこのキーボード。なぜ買ったのかというと、

7700円だったから

なのです。

HHK Liteはどの店も、示し合わせたように7800円です。この値段でも売れるからそうしているのでしょうが、なんかシャクです。多くの店で見かけるということは、それなりの数が出ているわけで、少しづつでも値下がりしてくるだろうと思っていました。しかし、いつまでたっても強気の価格だったわけで、それを打ち破ったPCiNはエライと思います。

PCiNでもさんざん迷ったあげくの購入ですが、その大きさやキー配置は気に入っています。

写真の上が標準的なキーボード、下がHHK Liteです。かなり小さいですね。

まぁ、これから使っていくうちに今回の決断が正しいかそうでないかは自然にわかることでしょう。

で、省スペースPCはどうなの?

やたらとはまった今回の買い物ですが、本来の目的である省スペースPCはいろいろと問題があるものの、何とか組み上げることができました。

今回組み上げたPCは非常に省スペースで、縦置きスタンドも付いているので卓上に置いても邪魔になりません。

しかし、組みあがったマシンを見て気づきました。

あれ、結局PCが一台増えただけじゃん。

そうです、以前から使っているPCはそのまま存在するので、単に狭い部屋がさらに狭くなっただけなのでした。なぁにが省スペースなんでしょうか。

まぁ、いいか。

さて、このPCの使い道ですが、なにげにメインの用途に使うことをもくろんでいます。以前にも書きましたが、Windowsからの脱却を実行しようかなと思っています。

そのためには、今回の仕様では少し力不足です。CPUはPentium90ですし、HDDも2.1Gです。いかにFreeBSDがスリムで軽いOSだからといっても、最近のX Window Systemやそのアプリケーション (Netscapeなど) はかなりCPUパワーが必要なようですし、システムのソースを展開してコンパイルしたりするためにはそれなりにディスクも必要です。

さて、このPCをどう料理するか。まだまだ楽しめそうです。財布は悲しむけどね。

食事

ジャンル 食べたもの
イタリアントマト 喫茶と軽食 ナスのミートソースとアイスティー

最近よく見かけるイタリアントマト。こぎれいな雰囲気で、アキバっぽさには欠けますが、ちょうど足も疲れたし、お腹もすいたので入ってみました。

スパゲティーとアイスティーを頼みましたが、スパゲティーははっきり言ってたいしたことありません。っていうか、二度とここでは食べないと思います。

ただし、飲み物の値段は安価ですし、照明も明るく、スペースもそこそこあるので、ちょっと休憩するならお勧めです。

食事で行くな、休むならOK。

ということで。