ZBOX nano VD01のHDDが遅い (3)
2012/03/10(土) 15:00 NetBSD はてブ情報 はてブに登録 はてブ数

前回の日記を書いて、さらにtsutsuiさんからコメントを頂きました。

どうやら、昔のVIAチップの設計がイマイチで、それを回避するコードが入っていたそうです。

最近のVIAチップはそういう回避コードは不要になっているにもかかわらず、回避コードの下に慣習的に各々のVIA IDE個別の設定が追加されていったようです。

今回のケースではその回避コードが逆に悪さをしてうまく動いていないということですね。むしろ、最近のチップがちゃんと動いているのか心配になってしまいます。

じゃぁ、回避コードのルートに乗っかる前に、さっさと処理をしてしまえばよいということで、次のような修正を加えることにしました。
--- ./sys/dev/pci/viaide.c.orig 2011-12-29 05:25:40.000000000 +0000
+++ ./sys/dev/pci/viaide.c      2012-03-10 12:43:07.00000000
@@ -464,6 +469,11 @@
                        interface = PCIIDE_INTERFACE_BUS_MASTER_DMA |
                            PCIIDE_INTERFACE_PCI(0) | PCIIDE_INTERFACE_PCI(1);
                        break;
+               case PCI_PRODUCT_VIATECH_VX900_IDE:
+                       aprint_normal_dev(sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_dev,
+                           "VIA Technologies VX900 ATA133 controller\n");
+                       sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 6;
+                       break;
                default:
                        /*
                         * get a PCI tag for the ISA bridge.
起動すると期待どおりのメッセージが表示されました。
viaide0 at pci0 dev 15 function 0
viaide0: VIA Technologies VX900 ATA133 controller
viaide0: bus-master DMA support present
viaide0: primary channel configured to native-PCI mode
viaide0: using ioapic0 pin 21 for native-PCI interrupt
atabus0 at viaide0 channel 0
viaide0: secondary channel configured to native-PCI mode
atabus1 at viaide0 channel 1
やりましたね!

それでは、dbenchしてみましょう!
Throughput 60.1017 MB/sec 5 procs
あれ?! おかしいな。もう一回。
Throughput 62.8053 MB/sec 5 procs
おっ! 先ほどよりは良くなりましたね。って言っても前回の不完全パッチでも
Throughput 63.8846 MB/sec 5 procs
ということで、数値的にはほとんど変わらないという結果になりました。

dbehcnの数字が60MB/s程度だとして、これが何を意味するのかは他の結果と比較してみなければなりませんが、とても乱暴にUDMA 4 (66MB/s) 相当の速度と仮置きしておくことにしましょう。

せっかくUDMAを0から6にしたのに効果は得られていないようです。おかしいですね。

仮説としては三つくらいでしょうか。
  • 不完全パッチでもUDMA 0ではなくUDMA 4相当が使われていた
  • 今回の修正でもまだ不十分でUDMA 4相当で動いている
  • 実はちゃんと動いているけどdbenchがかけるワークロードではUDMAの差が数字として現れない
仮説の最初の二つを考える上で気になっているのは、VX900のSATAコントローラを使っているにもかかわらず、viaideドライバ上ではPATAとして処理されているっぽいというところです。OpenBSDでもPATAとして扱われているので、そういうもの、なのかもしれませんが気になってしまいます。

SATAコントローラがPATAコンパチモードで動くとUDMAの指定はともかく、そこそこの速度で動いてくれるという動作なのかもしれません。

じゃぁ、SATAで動かせばいいじゃないかという話になるのですが、実は試行錯誤をしていた段階で
        { PCI_PRODUCT_VIATECH_VX900_IDE,
          0,
          NULL,
          via_chip_map,
        },
のところを
          via_sata_chip_map_7,
にして動かしてみたのですが、起動時にpanicしてそれ以降深く追っかけていなかったのです。せっかくのSATAコントローラなのですからSATAで動かしたいものですね。

三つ目の仮説であるdbenchどうなの、という話は確かにあって、ベンチマークプログラムの選択はなかなか奥が深いですね。

このようなディスクの話であればiozoneが良いのではないかとお勧めされたりしているのですが、iozoneのオプションを見て、そっと閉じる、という情けない状態だったりします。

いくつか宿題は残っていますが、一定の結論がでたのでsend-prに向けて準備を進めたいと思います。

1: tsutsui 『dmesgのドライブ側の行で wd0: drive supports PIO mode 4, DMA mode 2, Ultra...』 (2012/03/10 15:53)

ZBOX nano VD01のHDDが遅い (2)
2012/03/03(土) 26:27 NetBSD はてブ情報 はてブに登録 はてブ数

tsutsuiさんから「UDMA が使われているかどうかが気になる」とのコメントとパッチいただきました。

たしかに前回の
viaide0 at pci0 dev 15 function 0: VIA Technologies VX900 SATA Controller (rev. 0x00)
viaide0: VIA Technologies unknown VIA ATA controller
viaide0: bus-master DMA support present
viaide0: primary channel configured to native-PCI mode
viaide0: using ioapic0 pin 21 for native-PCI interrupt
というメッセージをよく見てみるとunknown VIA ATA controllerという表示になっています。

unknownというメッセージを表示しているのはsys/dev/pci/viaide.c#via_chip_map
    540 			default:
    541 		unknown:
    542 				aprint_normal("unknown VIA ATA controller\n");
    543 				sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 0;
    544 			}
    545 			break;
    546 
という部分です。なるほど、自分でVX900とわかっているわりにはunknownというのはおかしな話です。それもそのはず、tsutsuiさんのパッチではそれをフォローすべく、
@@ -533,6 +538,10 @@ via_chip_map(struct pciide_softc *sc, co
 				aprint_normal("CX700 ATA133 controller\n");
 				sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 6;
 				break;
+			case PCI_PRODUCT_VIATECH_VX900_IDE:
+				aprint_normal("VX900 ATA133 controller\n");
+				sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 6;
+				break;
 			case PCI_PRODUCT_VIATECH_VT8251:
 				aprint_normal("VT8251 ATA133 controller\n");
 				sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 6;
といった具合にVX900であればUDMAを使う、つまりsc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 0ではなくsc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 6という処理をしています。
なるほど。VX900のエントリを追加して動いたと思い込んでいた、ということで、さっそくパッチをあてて動かしてみることにしました。

ところが、認識時のメッセージではあいかわらずunknown VIA ATAといわれてしまいます。

あれれ? と思ってソースを見たところ、unknownが表示されるケースは、
    540 			default:
    541 		unknown:
    542 				aprint_normal("unknown VIA ATA controller\n");
    543 				sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_udma_cap = 0;
    544 			}
    545 			break;
ですから、ラベルがdefaultもしくはunknownということになります。

もし、ラベルがunknownだった場合には、
    471 			if (pci_find_device(&pcib_pa, via_pcib_match) == 0)
    472 				goto unknown;
    473 			pcib_id = pcib_pa.pa_id;
    474 			pcib_class = pcib_pa.pa_class;
    475 			aprint_normal_dev(sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_dev,
    476 			    "VIA Technologies ");
から飛んでくるので、475行目のVIA Technologiesという文字列は表示されないことになります。ところが、起動時にはVIA Technologiesという表示がされていることから、unknownのラベルからgotoで飛んできているわけではなく、475行目を経由したdefaultの処理としてunknownが表示されていると推測されます。

であれば、switch文の評価でdefaultになっていると判断できるので (caseほげで必ずbreakしているので)、switchの
    477 			switch (PCI_PRODUCT(pcib_id)) {
でVX900にマッチしていないということになります。

意味がどうこう考える前に、PCI_PRODUCT(pcib_id)がどういう値なのか、それを表示させるべく、
    aprint_normal_dev(sc->sc_wdcdev.sc_atac.atac_dev,
        "VIA Technologies %d, %d", PCI_PRODUCT(pa->pa_id), PCI_PRODUCT(pcib_id));
というデバッグ表示をさせることにしました。今思うと、なんで%dなんかにしたのかと思いますが、
viaide0: VIA Technologies 36865, 33808VX900 ATA133 controller
という表示になりました。

36865は0x9001でVX900のSATAコントローラのIDで、想定どおりです。一方33808は0x8410でPCI_PRODUCT(pcib_id)の値がそれであることがわかりました。

ということでPCI_PRODUCT(pcib_id)が0x8410だからVX900として定義していた0x9001と違うことから結果としてdefaultの処理に飛んでいることがわかり、想定どおり動いていないという理由のつじつまがあいました。

動かない理由を探るべく0x8410という数字が何を意味しているのかを調べるためにVX900のSystem Programming Manualを確認してみたところ、Bus Control And Power ManagementのデバイスIDのようだということがわかりました。

うーん、なんだか変ですねぇ。

ちょっと長くなってきたので、まずはここまで。

1: tsutusi 『PCI-ISA bridgeのIDを見なければいけない理由がなんかあったような気がする、 と遠い昔の記憶を掘り起こすためにcvs...』 (2012/03/07 19:24)

ZBOX nano VD01でX.orgがopenchromeドライバで動いたよ
2012/02/12(日) 15:40 NetBSD はてブ情報 はてブに登録 はてブ数

ここまで、起動させる、正しいディスクドライバを使う、までたどり着きました。

さて、そろそろX.orgを動かしてみたいところです。

Xorg -configureを実行してxorg.confのひな形をつくってXorg -config xorg.conf.newってな感じで動かしていくことになるわけですが、まずvesaドライバだと動くには動くのですが解像度が低くて常用するには残念な感じです。

せっかくのVX900チップセットに統合されたChrome9 HCMが泣いているぜ、ということで、さてどうするかなと思ったところで大した選択肢はなく、openChromeプロジェクトで作られているopenchromeドライバを使うことで良さそうです。

おもむろにDeviceセクションにある
        Driver "vesa"

        Driver "openchrome"
に変更して、神に祈ってからstartxです。結果は「そんなデバイスはない」といわれてしまいます。

いやいや、openChromeプロジェクトでは動くって書いてあるし、デバイスがないとは失礼な。なんかの間違いじゃないですかね。

うーんと思って、/usr/X11R7/lib/modules/drivers/openchrome_drv.so.0をstringsしてみるとどうやらVXシリーズは800番台までしか対応してくれていないみたいです。

はー、なるほど。これは例によってVX900の定義を書いて、ちょこちょこっとパッチを当てれば動くんでしょ。きっとそうでしょ。

そんな淡い期待はopenChromeの最新ソースを見て打ち砕かれたのでした。

結構差分があるのです。ここで、標準配布のxsrcではなくてpkgsrcのmodularなX.orgを使うことも考えたのですが、どうせなら最新を動かしたいなぁと。

xsrcに最新openChromeソースのVX900対応部分を取り出してパッチする方法よりもごっそりと*.c, *.hを入れ替えたほうが早そうです。

build.sh -x -X ../xsrc buildって感じで動かしてみると予想どおり止まります。エラーは、
  1. そんなヘッダファイルないよ
  2. 宣言されてないよ
の二種類だったのでxsrcのソースを参照したり、宣言部分を泥縄で追記していくことでコンパイルができるようになりました。

こまったのはbuild.shを毎回走らせていると遅くて仕方がないということです。どこかでMakefileが実行されているに違いないのですが、build.shのオートメーション化にすっかり堕落してしまい、xsrcにもないしsrc/objにもないし、とうろうろと探しまわってしまいました。

答えはsrc/external/mit/xorg/server/drivers/xf86-video-openchromeでした。ここでmakeを実行すればobjディレクトリにお目当てのものが生成されます。

一つ注意しなければならないのは、生成されたドライバモジュールの名前です。libopenchrome_drv.so.0という名前で生成されたドライバはopenchrome_drv.so.oとして/usr/X11R7/modules/driversにコピーされている必要があります。最初は名前が違うことに気づかず、同名でコピーして、事象が変わらず悩んでしまいました。

いざ、新しいドライバでstartxするとパチッと画面が暗転し...

暗転したままです。

リモートからマシンの状態を覗いてみるとXorgは動いていてpkill Xorgとかすると起動しているつもりで表示できていないxterm3匹を終了した旨のメッセージが出ます。

設定に不備があるのかと思い、Modelineを足してみたりしましたが、事態は進展しません。Option "PanelSize" "1280x1024"してみたりしても変わりません。

ふとディスプレイ装置からは信号がきてません的なメッセージが出ています。ZBOX nano VD01にはDisplayPortとHDMIが出ています。もしかしたら変なところに向かって表示をしているのかもしれません。

Option "ActiveDevice"というのがあってCRT, LCD, DFP, TVという値が設定できます。もしかしたら、これかなと思って順番に試すことにしました。

CRTだと事象に変化なし、LCDだとなにやらシマシマの模様が表示されます。信号すらきていなかった状況からすると一歩進展。DFP, TVと試してみるとシマシマ模様が表示されます。うーん、とおもって最初に試したCRTを設定してみると、あれ? シマシマ模様です。もう何が何やら。

もうこれは一つ一つオプションを試すしかないのかと思い、manやWebなどを参考に
        Option "VBEModes" "true"
を足して起動したところ、びしっと1280x1024でxtermが3枚表示されました!

記念にxorg.confを張っておきます。あと、openChromeの最新ソースをxsrcでコンパイルするための稚拙なパッチも張っておこう。
Section "ServerLayout"
        Identifier     "ZOTAC ZBOX nano VD01"
        Screen      0  "Screen0" 0 0
        InputDevice    "Mouse0" "CorePointer"
        InputDevice    "Keyboard0" "CoreKeyboard"
EndSection

Section "Files"
        ModulePath   "/usr/X11R7/lib/modules"
        FontPath     "/usr/X11R7/lib/X11/fonts/misc/"
        FontPath     "/usr/X11R7/lib/X11/fonts/TTF/"
        FontPath     "/usr/X11R7/lib/X11/fonts/Type1/"
        FontPath     "/usr/X11R7/lib/X11/fonts/75dpi/"
        FontPath     "/usr/X11R7/lib/X11/fonts/100dpi/"
EndSection

Section "Module"
        Load  "dbe"
        Load  "dri"
        Load  "dri2"
        Load  "extmod"
        Load  "glx"
        Load  "record"
        Load  "shadow"
EndSection

Section "InputDevice"
        Identifier  "Keyboard0"
        Driver      "kbd"
EndSection

Section "InputDevice"
        Identifier  "Mouse0"
        Driver      "mouse"
        Option      "Protocol" "wsmouse"
        Option      "Device" "/dev/wsmouse"
        Option      "ZAxisMapping" "4 5 6 7"
EndSection

Section "Monitor"
        Identifier   "Monitor0"
        VendorName   "IO DATA"
        ModelName    "Monitor Model"
EndSection

Section "Device"
        Identifier  "VX900"
        Driver      "openchrome"
        Option "VBEModes" "true"
EndSection

Section "Screen"
        Identifier "Screen0"
        Device     "VX900"
        Monitor    "Monitor0"
EndSection
diff -ur src.openchrome-orig/via_dga.c src/via_dga.c
--- src.openchrome-orig/via_dga.c       2012-02-12 13:23:10.000000000 +0000
+++ src/via_dga.c       2012-02-10 01:43:42.000000000 +0000
@@ -30,6 +30,8 @@
 #include "via_driver.h"
 #include "dgaproc.h"
 
+extern void viaShowCursor(ScrnInfoPtr pScrn);
+extern void viaHideCursor(ScrnInfoPtr pScrn);
 
 static Bool VIADGAOpenFramebuffer(ScrnInfoPtr, char **, unsigned char **,
                                   int *, int *, int *);
diff -ur src.openchrome-orig/via_driver.c src/via_driver.c
--- src.openchrome-orig/via_driver.c    2012-02-12 13:23:10.000000000 +0000
+++ src/via_driver.c    2012-02-10 06:50:44.000000000 +0000
@@ -39,7 +39,7 @@
 #include <X11/extensions/dpms.h>
 #endif
 
-#include "version.h"
+#include "svnversion.h"
 
 #include "via_driver.h"
 #include "via_video.h"
@@ -58,6 +58,9 @@
 /* RandR support */
 #include "xf86RandR12.h"
 
+extern Bool viaHWCursorInit(ScreenPtr pScreen);
+extern void viaHideCursor(ScrnInfoPtr pScrn);
+
 /* Prototypes. */
 static void VIAIdentify(int flags);
 
diff -ur src.openchrome-orig/via_mode.c src/via_mode.c
--- src.openchrome-orig/via_mode.c      2012-02-12 13:23:10.000000000 +0000
+++ src/via_mode.c      2012-02-11 17:50:00.000000000 +0000
@@ -41,6 +41,11 @@
 #include "via_id.h"
 #include <unistd.h>
 
+extern void ViaDisplaySetStreamOnCRT(ScrnInfoPtr pScrn, Bool primary);
+extern void ViaDisplaySetStreamOnDFP(ScrnInfoPtr pScrn, Bool primary);
+extern void ViaDisplaySetStreamOnDVO(ScrnInfoPtr pScrn, int port, Bool primary);
+extern void ViaDisplayEnableDVO(ScrnInfoPtr pScrn, int port);
+
 /*
  * Modetable nonsense.
  *
diff -ur src.openchrome-orig/via_video.c src/via_video.c
--- src.openchrome-orig/via_video.c     2012-02-12 13:23:10.000000000 +0000
+++ src/via_video.c     2012-02-11 17:57:58.000000000 +0000
@@ -51,6 +51,7 @@
 #include <X11/extensions/Xv.h>
 #include "xaa.h"
 #include "xaalocal.h"
+#include "damage.h"
 #include "dixstruct.h"
 #include "via_xvpriv.h"
 #include "via_swov.h"

ZBOX nano VD01のHDDが遅い
2012/02/07(火) 25:38 NetBSD はてブ情報 はてブに登録 はてブ数

めでたく起動したZBOXですが、使っていてどうもディスクが遅い気がしてなりません。

で、ひとつ覚えのdbenchを走らせてみたところ、

Throughput 13.9741 MB/sec 5 procs

という結果。なんだこれ、KVM上のNetBSDより遅いじゃないか!

よく見ると、ディスクのドライバがpciideというgenericなドライバが使われていて、しかもPIOで動いているっぽいメッセージ。

一方で、本来使われるべきviaideドライバは認識されていないということで、viaideのソースを見たところ、どうやらチップセットを登録してあげないといけないようです。

ということで、以下のような修正を加えました。
--- sys/dev/pci/viaide.c.orig	2012-02-07 01:08:45.000000000 +0000
+++ sys/dev/pci/viaide.c	2012-02-07 08:01:25.000000000 +0000
@@ -345,6 +345,11 @@
 	  "VIA Technologies VT8237S SATA Controller",
 	  via_sata_chip_map_7,
 	},
+	{ PCI_PRODUCT_VIATECH_VX900_SATA,
+	  0,
+	  "VIA Technologies VX900 SATA Controller",
+	  via_chip_map,
+	},
 	{ 0,
 	  0,
 	  NULL,
--- sys/dev/pci/pcidevs.orig	2011-10-19 00:21:35.000000000 +0000
+++ sys/dev/pci/pcidevs	2012-02-07 01:08:04.000000000 +0000
@@ -4676,6 +4677,7 @@
 product VIATECH VT82C597AGP	0x8597	VT82C597 (Apollo VP3) CPU-AGP Bridge
 product VIATECH VT82C598AGP	0x8598	VT82C598 (Apollo MVP3) CPU-AGP Bridge
 product VIATECH VT8605AGP	0x8605	VT8605 (Apollo ProMedia 133) Host-AGP Bridge
+product VIATECH VX900_SATA	0x9001	VX900 SATA Controller
 product VIATECH K8T890_PPB_A238	0xa238	K8T890 PCI-PCI Bridge
 product VIATECH VT8633AGP	0xb091	VT8633 (Apollo Pro 266) CPU-AGP Bridge
 product VIATECH VT8366AGP	0xb099	VT8366 (Apollo KT266) CPU-AGP Bridge
すると、
viaide0 at pci0 dev 15 function 0: VIA Technologies VX900 SATA Controller (rev. 0x00)
viaide0: VIA Technologies unknown VIA ATA controller
viaide0: bus-master DMA support present
viaide0: primary channel configured to native-PCI mode
viaide0: using ioapic0 pin 21 for native-PCI interrupt
てな感じで認識され、dbenchも

Throughput 63.8846 MB/sec 5 procs

ということで4.5倍程度高速になりました!

1: tsutsui 『wd0 の attach message で UDMA が使われているかどうかが気になるんですが、 http://www.cer...』 (2012/02/15 24:36)

NetBSD on KVM で性能が出ない (dbenchによるベンチマーク)
2012/01/22(日) 23:16 NetBSD はてブ情報 はてブに登録 はてブ数

NetBSDでKVMを動かしていますが、どうにもディスクの速度がもっさりです。

そこで、同じ仮想科環境でLinuxなみの速度を目標に、まずはベンチマークをして現状把握をすることにしました。

用意した環境は次の三つで、リファレンスとなるのはx86_64なUbuntuと我らがNetBSD/amd64, NetBSD/i386です。
  • Ubuntu *1
  • NetBSD/i386 *2
  • NetBSD/amd64 *3
ベンチマークに使ったのはdbenchです。ddベンチでもよいかと思っていましたが、せっかくなので専用のベンチマークを使うかなと思いました。ちなみにdbenchを選んだ理由は特になく、pkgsrcをあさってdiskのdかなーと思ってみたらそうだった、ぐらいの軽いノリです。
  • dbenchについて
    • dbench-3.04を使用
    • client.txtは同一
    • 実行コマンドはdbench -c client.txt 5
  • diskについて
    • すべてvirtioを使用
    • linuxは(/dev/vda1 on / type ext4 (rw,errors=remount-ro))
    • NetBSDは(/dev/ld0a on / type ffs (log, local))
    • すべてqemu-imgによるイメージファイル
まずは何のチューニングもせずに測定です。

あっ、NetBSD/amd64はhttp://www.tokuda.net/diary/KVM/NetBSDinstallにも書いたとおりACPI, MPの両方をOFFにして動作させています。

結果は次のとおり。
OSスループット(MB/s)
Ubuntu350.458
NetBSD/i3866.043
NetBSD/amd6428.191
なんというか、ちょっとびっくりするくらいの差がついています。NetBSD/i386はなにかの測定ミスかと思うくらいの違いです。

また、NetBSD/amd64も速度が安定せず、徐々にスループットをあげて35MB/sぐらいで安定したと思いきや、徐々に下がってきて、結果として28MB/sぐらいになるという挙動です。

このぐらい差がつくと、ちょろっとしたチューニングで劇的に改善するんじゃないの? とかあさはかな考えでdkctlによるstrategyの変更を実施してみました。具体的にはpriocscanからfcfsです。

結果、26.1531 MB/s って下がってしまいました。

これにめげず、ジャーナルしないほうが速いかもとWAPBLをOFFに (mountオプションからlogを削除) してみました。

結果、22.5587 MB/s ってもっと下がってしまいました。WAPBLの説明を改めて読むと、asyncよりも少し遅い、と書いてあるくらいですから当たり前ですね。

そのあとも何度かベンチマークを走らせたのですが、どんどん結果が悪くなる一方です。

これはちょっとおかしい傾向で、悪いなら悪いなりに数字が安定してくれないと困ってしまいます。

ファイルシステムのチューニング以外の見落としがある可能性も高いということで、今日はここまで。

*1 : Linux ubuntu 2.6.38-8-generic #42-Ubuntu SMP Mon Apr 11 03:31:24 UTC 2011 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

*2 : NetBSD nbsd-head 5.99.59 NetBSD 5.99.59 (GENERIC) #0: Fri Jan 13 00:27:37 UTC 2012 builds@b7.netbsd.org:/home/builds/ab/HEAD/i386/201201121750Z-obj/home/builds/ab/HEAD/src/sys/arch/i386/compile/GENERIC i386

*3 : NetBSD head64. 5.99.59 NetBSD 5.99.59 (GENERIC) #0: Thu Jan 12 19:43:43 UTC 2012 builds@b8.netbsd.org:/home/builds/ab/HEAD/amd64/201201121750Z-obj/home/builds/ab/HEAD/src/sys/arch/amd64/compile/GENERIC amd64

1: 774 『ubuntuがいくらなんでも速すぎませんか。 お高いディスクお使いですか。』 (2012/01/30 15:54)

2: tokuda 『いえ、高いディスクでもなんでもない、何の変哲もないSATA 3.5inchディスクです。dmesgにはWD20EARS-00Mっ...』 (2012/02/11 24:52)

3: 774 『なるほど、dbenchのことは知りませんが、ちょっと前のSSDのカタログ性能くらい出ちゃってるのであれれと思いました。 NetB...』 (2012/02/16 11:42)